抹茶といえば、日本の伝統的なお茶の一つです。
お菓子やスイーツの味としても広く用いられていますが、飲み物としての抹茶を飲んだことがあるという人は、そう多くはないのではないでしょうか。
抹茶はきちんとした茶室でいただく茶道のイメージが強いですが、実は自宅でも簡単に作って飲むことができるんです。
今回は抹茶の基本と、自宅で簡単に飲む方法をご紹介します。
抹茶とは
抹茶は「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれるお茶を原料とします。
碾茶とは、カテキンが増えるのを防ぐために茶葉を20日間以上日光から遮ったのち(被覆栽培)、生葉を蒸し、揉まずに碾茶炉で乾燥させて、茎や葉脈などの不要なものを取り除いたものです。
こうしてできた碾茶を石臼で挽いて、粉末状にすると抹茶になります。
ちなみに、今の抹茶の形態に由来する粉末状のお茶は、古代中国の宋王朝の時代に誕生したとされています。
日本ではその後、数百年の時を経て徐々に今の抹茶の形に発展してきたのだそう。
現在の抹茶の名産地としては京都・宇治、愛知・西尾、静岡・富士などが挙げられます。
抹茶の味わい
煎茶や玉露などは茶葉にお湯を注いで成分を抽出して飲みますが、抹茶は粉状になった茶葉をお湯で溶かし、泡立てて飲みます。
そのため茶葉をまるごと摂ることになり、多くの栄養素を摂取することができるのが特徴です。
また、きちんと点てて入れた抹茶は、一口飲むごとに味が濃くなり、深い渋みと甘み、独特の香りを楽しむことができます。
自宅で簡単にできる!マグカップ抹茶の作り方
抹茶というとさまざまな道具が必要だと思われがちですが、実は家にあるマグカップとスプーンだけでも簡単においしい抹茶を入れることができます。ここではその方法をご紹介します。
- マグカップに抹茶を入れる
- 沸騰したお湯を少し冷ましておく(目安:80〜90℃)
- マグカップにお湯を少量入れてスプーンなどで練る
- お湯を適量注いでできあがり
抹茶の量はお好みで調節してください。本格的に点てて飲む抹茶は濃い味わいが特徴ですが、自宅で楽しむなら薄めに入れると飲みやすいのでおすすめです。
小さじ1/4程度の粉に200mlのお湯を目安に、抹茶やお湯の量を調節してお好きな濃さを探してみてください。
すべての日本茶は、抽出するお湯の温度によって味わいが変わりますが、抹茶も例外ではありません。
熱いお湯で注ぐと、苦味成分であるカテキンが多く抽出されてしまうため、まろやかな味わいにしたいときは、少し冷ましたお湯を使いましょう。
また、抹茶の粉はダマになりやすいので、お湯を注ぎ切る前に少量のお湯を入れ、粉をよく溶かしましょう。
粉を多めに入れて濃い抹茶を飲むときは、この時点で小さな泡立て器などを使うと、泡を点てることができます。
そうすることで茶せんで点てたような、本格的な抹茶に近い味わいになります。
お好みで砂糖を加えたり、温めた牛乳で溶かして抹茶ラテにしたりと、さまざまなアレンジも楽しめます。
作法も気にせず、家で気軽に楽しむことができるのが、抹茶の魅力のひとつです。
もっと本格的に抹茶を楽しむなら・・・
歴史も伝統もある抹茶を、もっと本格的に楽しみたい。
家でもきちんと抹茶を点てて飲みたい、という方のために、本格的な抹茶の入れ方をご紹介します。
まず、以下の道具を用意しましょう。
茶筅(ちゃせん)
抹茶を点てるための道具です。穂の数が多い方がより細かい泡を点てることができます。茶道具の専門店やネットなどでも簡単に入手できます。
茶碗
抹茶専用の抹茶碗もありますが、口の広いお椀であれば問題ありません。小さめのお椀やカフェオレボウルなどがおすすめです。
茶杓
抹茶をすくって茶碗に入れるための道具のこと。専用のものがありますが、家庭にあるティースプーンでも代用できます。
道具が用意できたら、実際に抹茶を点ててみましょう。事前準備として抹茶の粉を茶こしでふるっておき、ダマをとっておきましょう。
また、茶筅の穂先をお湯につけておくと、やわらかくなって点てやすくなります。
- 茶碗に茶杓(またはティースプーン)で抹茶を2g入れる。
- 80〜90℃に冷ましたお湯を60〜100ml注ぐ。
- 片手で茶碗を押さえて、茶筅でお湯と抹茶をなじませる。
- 茶筅を縦に素早く動かして泡立てる。
- 泡がきめ細かくなったら、茶筅を静かに引き上げる。
きれいに泡立てるのは最初は少し難しいかもしれませんが、慣れてくると上手にきめ細かい泡が点てられるようになります。
力を入れすぎず、手首のスナップを効かせて素早く茶筅を動かすことがポイントです。
まとめ
抹茶の基本的な情報と、自宅でもできる抹茶の入れ方をご紹介しました。想像していたよりも簡単だったと驚いた方も多いのではないでしょうか。
飲み物としての抹茶は難しくてお堅いイメージもありますが、実は身近にある道具で十分に楽しむことができます。
茶葉やお湯の量、温度などを工夫することで、違った味わいも楽しめるので、この機会にぜひ抹茶のある日常にしてみませんか。