私たちが日頃から口にしている日本茶には、私たちの身体に良い効果をもたらす成分がたくさん入っていることをご存知ですか?
お茶にはリラックス効果や殺菌効果があることは広く知られていますが、実は他にもさまざまな効能が期待できる、優れた飲み物なのです。
今回は意外と知られていない日本茶の効能を、成分別に解説していきます。
カテキン:生活習慣病のさまざまなリスクを軽減
お茶の渋み成分の元であるカテキンは、一般にはタンニンとも呼ばれています。
カテキンにはさまざまな作用があることが研究によって明らかになっており、以下のような効果が期待されています。
- コレステロール低下
- がん細胞増殖抑制
- 風邪、インフルエンザ予防
- 高血圧改善
- 血糖値低下
- 殺菌効果
- 花粉症緩和
このように、年齢とともにリスクが高まる生活習慣病により引き起こされる諸症状を軽減する効果が期待できます。
また、カテキンに殺菌効果があることは多くの人が知っているでしょう。
実はお寿司屋さんに緑茶があるのは、生魚の菌によってお腹を壊すことを防ぐためでもあるのです。
この強い殺菌効果は口臭予防、虫歯予防にもなるため、食後にお茶を飲む習慣をつけるとより効果的でしょう。
また、花粉症の症状を緩和することも分かっています。
辛い花粉の時期には、継続的にお茶を飲んでカテキンを積極的に摂ると効果的です。
カフェイン:苦味成分
お茶の苦味成分であるカフェインですが、以下のような効能があります。
- 覚醒・興奮作用
- 疲労回復
- 利尿作用
- 消化促進
一般的にはカフェインといえば、コーヒーやエナジードリンクに多く含まれているイメージですが、日本茶にも多く含まれています。
カフェインには脳内で眠気を作り出す「アデノシン」という物質をブロックするため、眠気が覚め、脳の働きを活性化させます。
良質な茶葉ほどカフェインが多く含まれていると言われていますが、含有量はコーヒーほど多くはないため、カフェインの摂りすぎによる弊害は少ないと言えるでしょう。
テアニン:うまみ成分
テアニンはアミノ酸の一種で、お茶の甘みやうまみを引き出す成分です。
良いお茶ほど多く含まれています。
自律神経のはたらきを抑制し、副交感神経を優位にするため、リラックス作用があります。
集中力を高め、良い眠りに導いてくれるため、疲れた時に飲むと上手に体を休めることができます。
ビタミンC:美容と健康に欠かせない成分
日本茶には非常に多くのビタミンCが含まれています。
茶葉が日光をたっぷりと浴びると、光合成によりビタミンCが生成されるため、十分な日照時間は良いお茶にとって欠かせない要素です。
ビタミンCは人間の体の中で生成できないため、食事などで摂取する必要があるので、どうしても不足しがち。
ビタミンCが不足すると、免疫力が低下して風邪を引きやすくなり、肌荒れなどを引き起こすため、美容と健康にとって良くありません。
お茶に含まれるビタミンCは熱に強いため、熱いお湯で抽出してもその成分のほとんどが保たれるため、多くのビタミンCを取ることができます。
日本茶を飲む効果的なタイミングは?
日本茶に含まれる成分からさまざまな効能を紹介してきました。
では、日本茶は日々の生活の中でいつ飲むのが良いのでしょうか。
ここまで見てきたように、お茶にはさまざまな効能があるため、得たい効果によって飲むタイミングを変えるのが良いでしょう。
例えば、カフェインの効果である覚醒作用を得たいときには、朝起きてからすぐにお茶を飲むといいでしょう。
熱めのお湯で淹れるとカフェインが多く抽出されるので、より覚醒効果を得たい時にはおすすめです。
反対に、寝る前などにリラックス効果を得たい時には、テアニンが多く含まれる高級茶葉を選んでみましょう。
熱すぎないお湯でゆっくり煎じることで、カテキンの抽出量を抑えることで、目が覚めて眠れなくなるということはないでしょう。
豊富なテアニンの作用で高いリラックス効果が得られ、疲労回復にも繋がります。
日常のさまざまなシーンに合わせて、茶葉の種類や淹れ方を工夫しながら日本茶を楽しんで、健康な身体に導きましょう。
まとめ
日本茶に含まれる主な成分と、その効能を紹介しました。お茶が健康に良いことはなんとなく知っていたけれど、こんなにたくさんの成分が含まれていることは知らなかった、という人は多いのではないでしょうか。
国立がん研究センターの調査によると、「緑茶を習慣的に摂取する群において、男女の全死亡リスク及び心疾患、男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクが減少」したという結果が出ています。
日本人になじみ深く、ほっと一息つける時間を日常にもたらしてくれる日本茶に、これほどの効果があるとは驚きですよね。
日常に上手に日本茶を取り入れて、健やかな日々を過ごしましょう。